WomEnpowered International
Meet Our Allies: Yosuke Tamura
毎年11月19日は、国際男性デーです。国際女性デーに比べると認知度の低い男性デーですが、次世代をインスパイアし導ける男性ロールモデル、そして男性の身体的・精神的健康の問題に焦点をあてることを、大事な目的としています。
真のジェンダー平等は、異なるジェンダー間の相互理解と尊重があって初めて実現されるという信念のもと、WE Int.は国際男性デーを記念し、短いインタビューシリーズを刊行します。二人目は、東京でコンサルタントとして働く田村洋祐さん。One Young Worldのアンバサダーおよび日本委員会メンバーでもあり、関心事項であるジェンダー平等のイニシアティブを力強く後押しされています。

田村さん、まずはご自身のパッションについて、またそれに関してどのような活動をされてきたか教えてください。
私は、大学時代のゼミで行っていた北欧研究や、就職活動時の原体験を通じ、男女共同参画社会を日本においてより実現していくことに興味を持つようになりました。新卒では外資系コンサルティングファームに入社し、企業の女性管理職比率の向上を目的とした女性活躍推進コンサルティングチームの立ち上げを、他の先輩コンサルタントと共に担当しました。具体的には、人事組織コンサルティングのアプローチで、女性がキャリアを積むうえで障壁となっている長時間労働や時間をベースにした評価制度、また男性優位の企業風土などを変えることで、女性が働きやすい企業に変革していく、ということに従事しました。
現在は、別の外資系コンサルティングファームにおいてグラミン銀行の日本版であるグラミン日本のプロボノコンサルティングに従事しつつ、社内の女性活躍推進委員会にも所属し、女性管理職比率の向上に向けて活動しています。前者に関しては主に2つの役割があり、グラミン日本そのものの経営に関するコンサルティングと、グラミン日本から融資を受けて起業ないし就労する方々に対するワークショップを提供しています。後者に関しては「管理職になるのが不安、なりたくない」人の不安を解消し、管理職昇格に積極的にチャレンジしてもらうことと、「管理職になりたいが、どうすればいいかわからない」人に、昇格に向けた具体的な行動指針を持ってもらうことを目的に、女性管理職を交えたパネルディスカッションやキャリアの明確化等を実施しています。
WE Int.のことはどのようにして知りましたか?そのときの印象はどのようなものでしたか?
私が去年・今年と参加させていただいたヤングダボス会議と称されるOne Young World Summitに共同代表の中尾さんも日本代表として選出されており、そちらで知りました。その時の印象としては、アカデミックにも証明されている女性同士のネットワーキングとキャリアアップや主張することへの後押しに取り組まれていることと、東京大学公共政策大学院の公認サークルであることなど、日本の男女共同参画社会の実現に向けて非常に大事な存在になると感じました。
田村さんがジェンダーや女性の問題に興味を持つようになったきっかけとして、就職活動時の経験が大きかったと伺っています。この点についてもう少し説明して下さいますか?
私は大学時代、良く同級生の就職活動に関する相談をされており、特によく女性の同級生からこんなことを聞いていました。「面接で女性は出世できないけど大丈夫?と聞かれた」「結婚・出産することになったら辞めて欲しいと言われた」。それが原因で精神的に病んでしまう女性もいました。受けている人は男女共に「働きたい」という情熱があるのに、なぜ女性だからという理由で不当な差別を受けなければならないのか。海外では仕事と子育ての両立ができる国があるのに、なぜ日本は仕事と子育てを「選択」しなければならないのか。私の人生を振り返っても、社会に対する私憤を感じた時であり、仕事の中で関わっていきたいと思いました。
ジェンダーの観点からして、今後日本社会はどのように変化していくべきだと思いますか?また、そこに男性はどのように関与していけると思いますか?
女性活躍推進という意識ではなく、男女共同参画という意識を男女ともに持ち、行動していくことが大切かと思います。これまで多数の企業経営層から若手まで職場の男女平等(ここでは昇進したい女性が出産以外に女性であるがゆえに不利な状況におかれていることを変えることを指します)に関して話を伺ってきましたが、原因として挙げられるのが①長時間労働、②保育インフラの欠如、③男性側の育児・家事へ姿勢です。長時間労働は働き方改革など企業努力で解消しています。保育インフラはC to Cの保育プラットフォームなども出てきてはいますが、各地方自治体も待機児童解消のために政策努力をしています。男性の育児・家事参加に関しては数年前から議論が進み、改善され始めていますが、日本においては男性個人の意識変革がまだまだ未熟だと感じています。具体的には、まず男性側も仕事と家庭の両面で、ワークとライフが充実した人生を送るにはどうすればいいかということを考え、どのように家事分担をしているか、どう職場で育児をしている女性に対して配慮すればいいのかなど、ベストプラクティスの共有や意見交換をし始めることが大切です。初めの一歩かもしれませんが、職場の女性は男性側からのサポートにより働きやすくなる部分は存分にあります。
ジェンダー平等を実現するために、田村さんが取ったアクション、あるいは取りたいアクションを教えてください!
現在の日本では、男女共同参画社会を論じる際に、女性はある程度集まってアクションを起こしていますが、男性はほとんど議論したり、アクションを取ったりしていません。この部分に関して、男性が男女共同参画社会のために何ができるのか、議論、ベストプラクティスの共有、そして実践ができるようなコミュニティを作っていきたいと考えています。具体的には私が関わっているOne Young WorldにおいてD&I(ダイバーシティ・アンド・インクルージョン)のプラットフォームを作り、日本で男女共同参画社会に向けてアクションを取っている団体とコラボしてイベント開催を続け、コミュニティを少しずつ形成していきたいと考えています。
今後の日本において、男性と女性がワークとライフを充実させることは必要不可欠だと思います。議論することももちろん大事なのですが、小さくても良いのでとにかく行動を起こすことが大切です。現状を変えたいと思っている方、ぜひ一緒にアクションを取っていきましょう!